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個人研究草案 [学業]

個人研究草案。理論から多数の国際的な報告書をまとめ→実際の提言といった感じに展開していきたい。内容的に小島研ではないので、香川研に提出しているものです。神保先生も小島研と香川研に所属していたっぽいので同じような感じなのかな(笑)

以下内容。リベラルな内容にぶ~いんぐな予感

     グローバルガバナンスの規範的アプローチの現状
~7つの報告書の相互比較による国連改革に対する批判的検討~

問題の所在                                         
  今やグローバルガバナンス(以下、GG)は現在のグローバル化社会をどのように統治するかについての包括的な概念として一般的に定着している。しかし、その内容は曖昧であり固定化されてはいない。それは多様な分野・アクターを多様な側面から捉えるというGG論の特性によって、様々な扱い方が出来ることに起因していると思われる。これに対して大芝・山田はこの多様なGG論を3つのアプローチから捉えている 。一つが「リアリスト的分析アプローチ」であり、J・ローズノーとE・O・チェンピールの論集から始まり、H・ブルやM・ザッチャーなどがこれに続いた。彼らは主に国際社会におけるアナーキーを秩序付ける制度としてのGGに注目する。2つ目に「リベラリスト的分析アプローチ」であり、これは国際レジーム論を発展させる概念としてGGを提唱するアプローチでO・ヤングに代表されるアプローチである。そして、最後に「規範的アプローチ」であり、1995年に国連改革50周年を契機に有識者の集まりによって発表された「グローバルガバナンス委員会」の報告書に代表される。このアプローチは国連などの改革を実際に提唱することで、どのようにしたら最良のGGが達成できるのかという「実践性」や「市民性」「規範性」に目を向けていることが特徴であるとしている。本稿ではGG論の中でも、この規範的アプローチに注目して、多様なGGの概念の中において、GGの規範的方向性がどのように考えられているのかについて検討する。
  規範的アプローチに本稿が注目する理由は、2005年の国連創設60周年を迎えて、2004年から2005年にかけてGGとしての国際社会の取り組みに対する7つの報告書が次々に提出されたことにある 。それらはグローバル化の社会的側面に重要な示唆を与えるILOの「A fair Globalization」、WTOの将来の役割について検討した「The future of the WTO(通称、サザランド報告)」、ヘルシンキ・プロセスの作業部会がグローバルガバナンスに関して提案した「Governing Globalization」。国連改革に関しては、市民社会と国連との関係に重要な提案を行った「カルドーソ報告」、新たなる脅威に対する国連の役割強化を提案する「ハイレベル委員会報告」。ミレニアム開発目標の達成に向けた提案を行う「ミレニアム・プロジェクト報告」、そして最後に「ハイレベル委員会報告」、「ミレニアム・プロジェクト報告」の2つを土台として作られた「アナン事務総長報告」である。本稿では、これらの報告書がGGの規範的アプローチの新たな形態を示していると考えたのである。
  現在の国連改革の議論は中でも「ハイレベル委員会報告」「アナン報告」をきっかけに、安保理改革の主として行われているのが現状であり、それゆえの批判も多い。例えば、国家中心的アプローチであるということや、安保理改革に議論が集中し、その他の重要案件の討議が不十分であること、短期的な目標に集中してしまって長期的なビジョンに欠けるなどの点が批判として上げられる 。一方で、カルドーソ報告は市民社会などの非国家アクターに注目した提案であり、「Governing Globalization」と伴に中長期的なビジョンに長けているのが特徴となっている。これらの点から、本稿では「現在の国連改革議論が短期的な改革達成を目標としているために内容に偏りがあり、その他の重要な報告書を包括的に検討する必要性があるのではないか」と考え、7つの報告書を包括的に検討し、それらから今日におけるGGの新たなる規範的アプローチを構築することを目的とする。
  本稿ではまず、規範的アプローチの背景として、GG論の展開を「グローバルバナンス委員会報告」を中心に整理する。次に新たに提出された7つの報告書を概観し、その共通点と相違を抽出する。最後に「グローバルガバナンス委員会報告」と新たな報告書とを比較しながら、時代的な変遷をたどり新たな報告書の形成における背景を整理し、これらの報告書による新たな「グローバル・ガバナンスの規範的アプローチ」を提示することで、現在行われている国連改革に対する批判的評価を行う。

ちなみに日本国際連合学会の会合において大芝さんが隣に座っていましたが、そのときは名前なんかみたことあるなあと思っただけでした。ざんね~ん


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