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俗続・ホワイトバンド・・・ [思考]

昨日の続き?ですが、なんかgreeにあるホワイトバンド掲示板とかの、「~バンドほしい!」系の書き込みを見ると非常になえる気がしません?

「~バンドってあるらしいよ!」

「ほしいです!どこに売ってるんですか?」

「~バンドがどこに売ってるか教えてください!」

・・・なんか、ちがくね?これ。。。
正直、単なるファッションだか、流行意識とかじゃん。。。活動の意義とか何も関わってないじゃん。

そんなことする暇あったら、貧困やら環境問題やら病気やらの諸問題について考えて見たり、寄付したり、活動したりしようよ。

こういうスレッドがあまりに多くて、見ていてげんなりしてきた。やっぱりそんなものなのかなあ。

さて、ホワイトバンドの啓蒙部分の流行化に嘆きつつ。ホワイトバンド活動の政策提言に対する個人的な検討を改めてしてみるけど、

「援助の量と質の向上」、
「返済不可能な債務の無条件帳消し」、
「不公正貿易の抜本的改善」

の3つを日本政府に訴えることを目的としているらしいけど、これらはどうなんでしょうか。

1つめの「援助の量と質の向上」は当たり前に必要だからやってほしいけど、借金まみれの日本には限界があるのも事実だと思う。日本としては、今年のG8で100億ドルの増加を決定し、アフリカ援助倍増を約束しているから、量については増加することになっている。しかしながら、いわゆるODAのGNP比0.7%目標に達するのは難しいのが現状だ。一方でイギリスやドイツ、フランス、カナダなどは2015年までに、同目標をクリアしようと宣言している。こうした流れに日本も乗りたいところだが、実際、日本は経済規模から0.7%出すのが難しいとされている。相対的には相当量を出している、しかし、目標値的には0.7%を達成できない。好景気にさえ達成できなかった日本の長年のジレンマ。NGOが提言して何か変わるのか疑問だ。

2つ目の返済不可能な債務の無条件帳消し」っていうのは、NGOさんが言うほど単純な問題ではない。債務を無条件で帳消しするということは、お金を借りることへの信頼関係の破壊や、途上国の怠慢につながる恐れがある。だからこそHIPCという債務削減プログラムが存在し、PRSPなどの戦略立案とガバナンス力が途上国に求められている。ただ債務を削減すれば貧困がなくなるわけではないだろう。どのように削減するのか、それは将来的に適切かを判断しなければならない。

3つ目「不公正貿易の抜本的改善」
これはNGOのように盲目に追求するべきかどうか疑念をもつべきだろう。途上国に有利な貿易とは聞こえが良いが、途上国に有利にすること=先進国に貿易負担が増加することを意味する。具体的には途上国の一次産品を、関税障壁をなくして取引がなされれば、先進国に安い値段で輸出することができるため、途上国の貿易黒字へとつながる。これがNGOのいう公正な貿易であり、WTOで途上国が求めてくるものだ。それは日本の農業に大きな打撃を与え、国内産業の大きな変革を必要とする。つまり「痛み」が必要なのである。その覚悟がみんなにできているのか。また、これはWTOで様々な利益団体が複雑に絡まりながら進む貿易問題であり、ホワイトバンド活動で動かせるうるものなのかは疑問だ。

この3つの政策は、従来のNGOの主張と代わり映えなく、練られたものではない。「貧困をなくすため」という意味で賛同者を集めて、いつのまにかこれらの政策の賛同者に摩り替えられる問題もある気がする。みんな、これらの政策を知らなかったり、知ってても考えたりしてないだろうね。果たして政策的に妥当なのだろうかな?そんな単純ではない気がするけどね。

貧困をなくすためホワイトバンドを買って、知らず知らずのうちに特定団体の特定の考えを推進してしまうことになっちゃうのかなあってちょっと思ったよ。政策に対する対案とか、良い部分、悪い部分とかもっと検討させてほしいよね。


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コメント 6

しんちゃん

しばっちさんが言う、3つの事について、俺なりにも。
1.質とは何か、量とは、どの程度のものなのか?具体的に示されておらず、全く説得力無し。そもそも、ODAのGNP比0.7目標というが、この妥当性さえ明確じゃ無い。GNP比0.7という目標が、日本にとって過分であるなら、日本が多くの借金を抱える事になり、その負担は国民に跳ね返り、それ即ち、不景気に繋がる。不景気は、国の税収を減らし、それによって、援助金も減らさざるを得なくなるだろう。結局、世界の為にならない。
2.経済というものが分かってない。しばっちさんが言うように、借金を帳消しにするというのは、どういう事か、もっと良く考えるべき。ちなみに、借金帳消しで、金をつぎ込まれた先の国では、急激なインフレが起こるでしょう。結局、その国の貧困を減らす事には、繋がらない。
3.何が不公正なのか、もっと良く考えて欲しい。これも、しばっちさんが指摘したとおり。企業にとって公平で自由な貿易が成されなければ、市場は混乱し、経済活動は、滞る=不景気に繋がる。しかも、これが世界規模になれば、世界的に援助活動が縮小される事になるでしょう。

そもそも、このホワイトバンドの収益金、政府に働きかける活動とか、啓蒙とか、そういう事に使われるらしいが、それだけじゃあ全然、貧しい人達の為の実質的な役に立って無いじゃん!働きかける側が、率先随伴しなければ、説得力も何も無かろうに‥‥。
by しんちゃん (2005-10-01 01:25) 

akai

しばしん、久しぶり
久しぶりに覗いてみたら少し面白そうなので、ちょっと思うところを。

用はそのNGOが掲げている3つの要素が貧困削減に必要だということは「大筋では」間違いないわけだよ。もちろん債務削減のスキームや、多角的貿易体制のあり方に関する議論は必要だけど。

で、もひとつ問題にしているのは、それがこの「ホワイトバンド」という活動で達成できるのかどうかだよね。ぼくは、確かにそれほど貧困自体に興味を持ってこれをつけている人も多くないと思う(ファッション感覚だったり)。そのなかで、これをつけたからといって、政策が達成されることはまずないよ。でも、それは悪いことではないと思う。たまたま、こういうことを勉強している僕らは、「貧困問題」とかに興味を持っているけど、世間の大多数はアフリカの貧困より自分の半径一メートルの世界のほうが大切なんだよ。(僕もおそらくそう)

で、そのなかで、なんとなく「中田とかマライアがつけてるしかっこいいから」みたいな理由であってもホワイトバンドをつけ始めて、中田とかが貧困をなくそうって言ってるCMを見たりすれば、ほんの少しでも「貧困」という問題の存在を「知る」ことが出来るんじゃないかと思う。本当に小さな前進であるけど、重要なのではないかと思う。

イギリスのU2のボノとかがチャリティーライブをしているのも、お金を集めるというより、U2ファンの普通の若い子達が、U2という身近なカルチャーを通して、少しでも貧困に興味を持ってもらいたい、って言う意味も強いと思うし。
by akai (2005-10-02 16:43) 

akai

つづけてすいません。。。
しんちゃんさんのコメントでやや気になる箇所があったので。。。

1.0.7%目標の妥当性については、これが確かに試算されたのが1975年だったりして、確かに異論はあると思います。ただ、近年の国際機関や研究所の試算によると(OECDだけ妙に少ないのですが)、0.7%に近いODA量が必要なことは、きちんとした研究で明らかになっている指標です。
また、国内経済への影響ですが、指摘されるようなコストは確かにあります。しかし一方で、ODAを払わないことによるコスト(政治的信頼など以外に)も考慮して、払うコストと払わないコストを比べなければ政策決定の信頼性がないかと思います。その上で、一般的には現在の額くらいであれば、払ったほうがいいなという判断でしょう。
それにぶっちゃけ、不況だ何だといっても、日本はまだまだ裕福です。

2.「借金帳消しで金をつぎ込まれ、インフレ」というくだりがどうも理解できません。。。
ようは、債務があると途上国の国内財政のうちから大部分を債務に咲かなければいけなくなり、途上国自身が十分な財政政策(公共事業)を行えなくなるという問題意識から発しているはずです。ですから、ODA等のように追加的な資金投下を行うというわけではないと思います。途上国のマクロ経済安定のための処方箋として、債務削減がなされるわけですので、インフレというマクロ経済の不安定には陥らないかと思います。
この政策の負の部分は、しばしんのいう信頼関係の崩壊でしょうか。
僕自身も、いまだ経済というものを理解しきれていないので、未熟な意見ではありますが。

3.たしかに、しんちゃんさんのおっしゃられる意見は一理あり、90年代の国際的な開発戦略はそのような思想の下で進んでいったと思います。ご存知のように、その戦略は破綻しましたが。。。
しばしんも、ここにかんしては「公正な貿易が悪い」というのではなく、「それを達成しようとすると、貴方たち先進国の人が傷みを受けますよ。それを覚悟していますか?」といっているのでしょう。
たしかに、自由経済こそが「市場全体で」最大の効用をもたらします。しかし、ここで最大化される効用とは、市場のアクター(先進国も途上国も)全体の利益を足し算した結果なのです。現在の体力差のある状況では、先進国と一部の途上国の利益が拡大する一方で、最貧国は貿易利益の恩恵にあずかることは出来なくなります。
たしかに、自由経済により経済全体は上昇します。しかしそこからこぼれ落ちる者たち(ここで言うと最貧国など)の存在も明らかです。そのため、自由経済とはセットで、セーフティーネットが必要であり、国際貿易でそれは途上国に対する「特別かつ異なる措置(S&D)」であります。これは昨今話題になっている小泉さんのおっしゃる、小さな政府にも当てはまることかと思います。

僕自身、経済という分野についてはまだまだ未熟であり、理解し切れていないため、コメントも未熟になっています。ただ、私の考えとして書かせていただきました。
by akai (2005-10-02 17:04) 

しばしん

とりあえず一言。。赤井コメントなが!!!がび~ん

というのは冗談で。

俺もホワイトバンドの啓蒙っていうのは良いと思ってるよ。今までにないそうに拡大できるってのがすごい所だよね。ただ盲目的に信仰することにも疑問を感じたりもしたんだよね。とくに直接的には貧困者を助けていないって所を理解してない人が多かったり、それについて良いか悪いか考えて見たりしてなかったりとかね。
by しばしん (2005-10-03 01:53) 

kio

はじめまして。
この活動の趣旨はいいのですがあいまいすぎますね。実際にするのはNGOではなく政府であり、政府の財源は税金など国民のお金なわけですし。
諸事情絡んで大変ですが、この活動の本当の意味での終わりは来ないでしょう。
そして何よりホワイトバンドは貧困に拍車をかけている中国製。これ自体がすでにホワイトバンド活動の矛盾の最たるものではないでしょうか。
by kio (2005-10-08 09:39) 

しばしん

>kioさん
コメントありがとうございます。でも、活動としていろいろ考えるきっかけを与えることとかに意義があるのかもしれませんね。こうやっていろいろな人がコメントをくれるきっかけになっただけでもありがたいです。
by しばしん (2005-10-08 21:09) 

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